STAY HOME SAVE LIVES 家にいよう、世界を救おう。

自宅待機の環境下で「身体をあまり動かさない」というのは、身体にとって良いことではない。WHOは運動不足を死亡の主要なリスク要因の一つとして挙げているほどだ。今回の記事は、コロナ禍で特に気を付けたい「心」と「身体」と「食生活」の話。


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コロナに向き合うための、三つの密。

2019年12月、湖北省・武南で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が発生、新型コロナウイルスの感染経路は感染者による飛沫感染・接触感染によるもので、現在に至るまで、世界各地に新型コロナウイルスは広がり猛威を奮っている。日本では2020年4月7日、内閣総理大臣である安倍晋三氏によって「緊急事態宣言」が4月7日〜5月6日の期間で出され、現在(4/11時点)では6005人の感染者が厚生労働省より報告されている。(1)

家にいるけど、不健康になりたくない!
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これからの1ヶ月間、自宅待機という状態を強いられる方々が多くなります。自宅待機の環境下で考えられることは「身体をあまり動かさない」ということです。しかし、「動かない状態」というのは、あまり良いものではありません。WHO(世界保健機関)は運動不足を死亡の主要なリスク要因の一つとして挙げています。

そこで、この状況下でも心身の健康を保つために同機関はSNSを通じて「❶運動すること、身体を動かすこと、❷適切な食事を取ること、❸信頼できる人と連絡を取こと、❹音楽や読書を楽しむこと、❺アルコールやタバコは控えることを」(3)を呼びかけています。

さて現在において最もタイムリーなのは、感染予防とともに、病原体に打ち勝つための免疫力の獲得が必要だと言えるでしょう。家での不健康な習慣は、免疫力を下げてしまいます。そうならないように、皆さんが免疫力を高める習慣を自宅待機という状況下で実施する事ができれば、鬼に金棒です。では、どの様な習慣が良いのでしょうか?

V Sコロナ、「中強度」の運動が免疫力アップに効果的。
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免疫力を高める習慣の一つに“運動“があります。では、どの様な運動が僕たちの免疫力を高めるのか、それは「中強度の運動」です。最大心拍数50-60%程度の運動を実施することによって、病原体に抗う細胞である白血球の量を身体内に増やす事ができると言われています。はや歩きでの散歩やランニングなどは免疫力を上げる効果が期待できます。

しかし一方で、高強度の運動(最大心拍数80-90%)では異なる事が起こり、免疫機能が抑制されると報告されています。(4)運動と言っても過度な運動ではなく”適度な運動(中強度の運動)“を心がける必要があるようです。

VSコロナ、免疫力を高める食事は三大栄養素と腸内微生物がポイント。
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免疫力を高めるのであれば、三大栄養素(炭水化物/タンパク質/脂質)をしっかりとバランス良く摂取する事です。米や穀類から摂れる糖質は免疫系のエネルギー源となります。また、魚・肉・豆などから摂取できるタンパク質の低下は、免疫力を低下させる事が報告されています。高タンパク質の食事摂取によって免疫力を低下させない事が重要となります。さらに細胞膜の主要な構成要素の一つでもある脂肪、その中でも特に“魚油や植物性の油の摂取によって免疫機能を向上させる事ができると報告されています。(5)

他にも最近注目されているモノに、プレバイオティクスやプロバイオティクスというものがあります。この二つは人体に良い作用を生み出すバクテリアや細胞のことで、腸内微生物(俗にいう善玉菌や悪玉菌など)の環境を調整する事で免疫機能向上に貢献します。ヨーグルトやヤクルトのような乳製品、納豆やキムチなどの発酵食品にも含まれており、サプリメントとしても販売されています 。

まとめていくと、

  • 米・穀類である炭水化物は、総カロリーの50%〜60%の量を取りましょう。また体重×4g〜7gを目安にしても良いです。
  • タンパク質は1日に自分の体重×1gをとりましょう。運動をしている人は1日に体重×1.5g〜2gを目安にしましょう。
  • 魚類や植物からできた脂質(オリーブオイルやアマニ油がお勧め)とりましょう。目安量として総カロリーの20%〜30%をとりましょう。
  • 発酵食品や乳製品をとる

というようなことを推奨します。また食事のご相談は管理栄養士の資格を持っている方に聞いてみてください。更に良いアドバイスが聞けると思います。

V Sコロナ、心の健康を保つためのデジタルコミュニケーション

昨今の環境下で感染症予防を成し遂げるために「Social distance(社会的距離)」を取ることの重要性を政府は呼びかけています。距離にして約2mはなれるということで、飛沫感染や接触感染を予防しようという意図があります。しかし、これはあくまで感染予防の話であって、コミュニケーションを取らないということではありません。

社会的距離を執拗に取る結果、社会的孤立な状態を生み出し心の健康が低下してしまう状態では、元も子もありません。解決策として他者とコミュニケーションをとり続けましょう。他者とのコミュニケーションは幸福ホルモン(セロトニン・ドーパミン)を増やすことを助けてくれます。さらに適度な運動やリズミカルな運動も同様に幸福ホルモンを増やす事が最近の研究では明らかになりつつあります。(6)

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他者とのコミュニケーションをとりながら、かつ運動を行う事ができれば、皆さんの心の健康を更に良い状態にする事ができます。S N Sなどを通じて、自分自身が行なっている運動の内容をのせたりすると、そこでコミュニケーションの場が生まれ、物理的なつながりの無い他者から承認を受ける事ができます。このような時期はデジタルをフル活用することをお勧めします。筆者が作成したこちらの動画では、家で行う事ができるエクササイズ等を紹介しています。

V Sコロナ、一緒に戦おう!

感染症の予防とともに、免疫機能をしっかりと調整する取り組みをすることによって、健康維持を保つことを応援しています。適度な運動を実施し、バランスの良い食事と腸内細菌の調整をはかり、オンラインを利用し親しい人々とコミュニケーションをとる事を習慣にできているか、確認してみてください。心と体の健康を第一に考え、共にがんばっていきましょう。

参考文献

  1. 厚生労働省「 新型コロナウイルス感染症の現在の状況について(令和2年4月11日版)」(2020年4月11日アクセス)
  2. 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」3p(2020年4月10日アクセス)
  3. WHO (世界保健機関)「https://www.facebook.com/WHO/videos/214815653075701/」(2020年4月10日アクセス)
  4. Henning Wackerhage編(2019)「分子運動生理学入門」 (監修:石井直方・中里浩一)有限会社ナップ p335-p336
  5. 同上 p340-p341
  6. 佐野 新一 ・蒲 真理子・坂本正裕・鈴木郁子・有田秀穂 (2002)「踏み台昇降によるセロトニン神経系の賦活」
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