噂のHIIT(高強度インターバルトレーニング)の真相を探れ!

巷で話題のHIIT(高強度インターバルトレーニング)。Youtubeをつけると、なんかフリフリしているお兄さんお姉さが「5分で痩せる」なんて魅力的なキーワードと魅惑的なボディで運動の勧誘を行ってる。コロナ禍での運動不足解消で実施した人は多いのかも。そんな流行真っ只中のHIITなんですが、フィットネスの現場ではこんな声が聞こえてきます。

Aさん

HIIT(高強度インターバルトレーニング)って私たちの様な高齢者には無意味よね。

Bさん

変にやると怪我するって言うじゃない、なんか怖いわ、疲れるし。

そうよね、こんなものやって効果なんか出るのかしら。

Bさん

よくわかんないわよね。若い子たちがプリプリ楽しむもなんじゃない。

高山ヒロキ

ちょっと待った!!しっかりと自身の現状が明確であれば、あなたの健康を加速させるツールになりますよ。

と言うわけで、今回はHIIT(高強度インターバルトレーニング)について色々ご紹介していきたいと思います。気になる項目を目次から選択してみてみてね!

目次

HIIT(高強度インターバルトレーニング)徹底解説

HIIT(高強度インターバルトレーニング)って何!?

HIIT(高強度インターバルトレーニング)とは、一般の方だと、最大心拍数の80〜70%の強度で行われるインターバルトレーニング。アスリートレベルになると90%の水準まで高めていく様な強度の高い水準のトレーニングのことを言います。

どんなメリット/効果があるの!?

効果

メタボリックシンドロームに関係する諸悪の根源を撃退する効果があります。具体的には以下の様な効果があります。

  • 心肺機能の改善(息切れしなくなります)
  • 血液循環の促進による代謝機能の改善
  • 糖尿病の予防
  • 心臓病の予防
  • 筋持久力の向上
  • 脂肪の減少    etc

運動頻度とメリット

また、習慣化しやすいのもHIITのメリットの一つです。以前の記事(Fat Burning time/脂肪燃焼のすすめ)でも挙げましたが、健康を維持していくために必要な運動頻度は以下の様にNASM(国際スポーツ医学アカデミー)のガイドラインでは定められています。

❶30分〜60分ほど継続できる中強度な運動で、主観的に「ややきつい」〜「楽」と感じられる運動を週に5回(1週間/150分以上)
例:ウォーキング・ランニング・水泳・球技(サッカー・テニスect)

❷20分〜60分の高強度な運動で、主観的に「きつい」と感じる運動を週に3回以上(1週間/75分以上)
例:HIIT(高強度インターバルトレーニング) ・ウェイトトレーニング・スプリントトレーニング

❸上記に紹介した❶と❷を組み合わせた運動を週に3回以上(1週間/75分以上)
例:ウォーキング×HIIT(高強度インターバルトレーニング)

上記の様な時に、運動時間の短縮にHIITは貢献します。実際に現役世代の層では、ほぼ毎日実施する❶の様なケースは現実的ではないですよね。❶❷のケースであれば、限られた時間でしっかりと健康に投資できる運動としてHIITを行うメリットがあります。

アフターバーン 運動後過剰酸素消費

HIITの様に高強度の運動を短時間に実施すると。身体には急性的に酸素負債が生じ、より酸素を求める様になります。この現象が運動後36時間にかけて脂肪燃焼効率の上昇を促します。HIITの実施後に中強度の有酸素運動を合わせることができれば、週に1回と言う頻度の中でも、健康水準を維持できる運動習慣が構築できます。

高齢者にも良いの!?

Marriott CFS他の研究(1)によれば、HIITのリスクマネジメント次第では、様々な運動施設で推奨されている中強度の有酸素運動よりも、その効果を引き出すことができると明確になりつつあります。

最近では耳にすることが少なくなった「スクワット危険論者」も正しく学習されたトレーナー人口の増加によって、正しくスクワットが伝わり、現場レベルでは「スクワットは危ないからね。やらないよ」と言う謎の言説を聞くことが少なくなりつつあります。HIITもそれと同じ様な道を歩んでいると言えるでしょう。

代謝性疾患や運動器疾患と自身が持病を患っている場合でも、医療機関やトレーナーとの連携によって正しくリスクを洗い出すことができれば、効果性の高い運動としてHIITの実施が実現できるのです。

Marriott CFSの研究(1)の研究の中でも、中強度の有酸素運動とHIITを比較した場合に”HIITの方が良い”と言う結果が様々な項目(循環器系疾患・代謝性疾患・心臓病etc)で見つけられたことが報告されていることから、再現性の高いHIITプロトコルの実施は健康課題の解決策となる可能性が高いです。

どんな人に向いているの?

中強度の有酸素運動が習慣化できている人

ジョギング・ウォーキング・水泳などの楽な強度での有酸素運動が1週間に合計150分以上を6ヶ月以上実施できている人。この様な人は脂質を代謝する力がある程度備わっていますので、高強度のトレーニングを行なったとしても、しっかりと実施エクササイズ間で回復することができHIITの効果を得ることができます。また、日頃行っている有酸素運動では得れない効果をHIITでは付加することができますので、運動効果がマンネリ化してきた、と言う場合にHIITの選択はとても良いと言えるでしょう。

動きの難易度があなたにあったエクササイズ

自身の動きのレベルによって選ぶ環境であったり利用するツールが異なってきます。

動きの種類動作の難易度環境
自転車を漕ぐ(アクアバイク)水中(プール)
自転車を漕ぐ(エアロバイク)
走る★★水中(プール)
走る★★
簡易的な動きでステップ/自重トレーニング★★水中(プール)
簡易的な動きでステップ/自重トレーニング★★★
複雑な動きでステップ★★★プール
複雑な動きでステップ★★★★
ウェイトを利用する★★★★
動きの種類/難易度/環境

上記の様にレッスンや実施するスポーツなどで採用されている動作には難易度があります。自身の動きの状態が明確でない場合、どの様なエクササイズ選定するべきか。また、どの様なエクササイズであれば適応しているのかが不明確のままとなります。その様な状態は、運動効果を生み出さないばかりか、障害の可能性を上昇させてしまいます。その様なことが起こらない様に、身体の機能を理解しているトレーナーのもとで動きの分析をしてもらい、自身の現状を明確にしましょう。

習慣に取り入れるためには!?

自身の状態によって、どの様な形での実施なら習慣化しやすいのかで検討するのが良いと思います。以下にレッスンの形と各達成度を簡易的にまとめてみました。例えば、運動の頻度が取れていなかったり、その実施方法が曖昧な初心者さんの場合や自身がそもそも持病などを持っている場合は、パーソナルトレーニングの中で細かくみてもらうのが良いでしょう。

しかし、ある程度、運動習慣が得れていて、身体の機能も問題のない水準で維持できている場合は、集団レッスンや中大規模レッスンに参加して、みんなで行うことによる共同達成感を味わうことで、運動の継続を引き出すことが可能になります。レッスンの中で友人や知り合い程度の人間が増えることも、運動の継続を引き出しますので、慣れてきたらどんどんレッスンにチャレンジしていきましょう。

種類教育到達度共同達成感
パーソナル (1人)★★★★★
セミパーソナル ( 2〜6人 ) ★★★★★★
集団 レッスン(6〜15人)★★★★★★
中規模レッスン(15〜30人)★★★★★★
大規模レッスン(30人超え)★★★★★
集団と各達成度

最後に

さて、皆さんの疑問は払拭することができましたでしょうか。自身の運動がマンネリ化していたり。時間のない日常の中で最大の効果を得たい場合は、HIITを選択してみてください。しっかりと継続できればあなたの身体的なwell-beingの引き立て役になってくれることに違いありません。

参考文献
  1. Marriott CFS, Petrella AFM, Marriott ECS, Boa Sorte Silva NC, Petrella RJ. High-Intensity Interval Training in Older Adults: a Scoping Review. Sports Med Open. 2021 Jul 19;7(1):49. doi: 10.1186/s40798-021-00344-4. PMID: 34279765; PMCID: PMC8289951.
  2. Clark・Scott・Sutton 著 (2017)「NASM Essentials of Personal Fitness Training 第6版」 Jones & Bartlett Learning
  3. ACSM , High-Intensity Interval Training (2022.10.15 アクセス)
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