デスクワーカー必見。肩こり首こりの解決は「15度の視線」が鍵だった。

リモートワークがニューノーマルとなった現代、デバイス画面と向き合う生活の中で肩や首の凝りに悩んでいるデスクワーカーは少なくないだろう。実は、揉みほぐすよりも抜本的な方法があることをご存知だろうか?肩こりの無限ループから解放されるには、「15度の視線」が鍵となること、その秘密を今回はご紹介する。

目次

肩こりに悩んでる人って

リモートワークで長時間座っていると首や肩がガチガチになってしまうという事って多いのではないでしょうか、実は同じ悩みを抱えている人って沢山います。オムロン ヘルスケア株式会社が20代から50代のテレワークをしている男女1,000人を対象に行った「テレワークとなった働き世代へ緊急アンケート」によるとリモートワークを始めた方で何かしらの不調を感じている人は31%、そしてその中でも肩こりに悩んでいる方は68.1%ととても高い水準なんです。

出典/https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2020/0428.html
出典/https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2020/0428.html

現在2021年5月、コロナ禍の中リモートワークが進んでいますが、その中で肩こりに悩む方ってとても多いと思います。今回はその肩こりが、なぜ起こってしまうのか?解消するために何をすれば良いか?具体的に書き記していきたいと思います。

肩こりの原因は姿勢にある。

そもそも肩こりが起こってしまう原因は長時間同じ姿勢によって首・肩周りの筋肉が過剰にはたらく事よって起こります。ここでポイントなのは”過剰に肩周りの筋肉が働く状態ってどんな状態?”なのかです。

以下の図は頭部の位置とそれに対応する肩周りの重力の負荷を示した図になります。人間の頭は約4kgあると言われています。この頭部を立つ姿勢では背骨で支え身体全体でその重力の負荷をうまく分散させているのですが、頭部が前に移行すると、重力の負荷が首や肩周りに集中してしまいます。

頭部の位置とそれに対応する首回りのストレス

この重力の負荷が首・肩周りに集中している状態が長時間続くと筋肉たちは最初こそ耐えていますがやがて疲弊し、さらに続くと痛いという反応を示すようになり、肩凝りという症状を引き起こします。なので、負荷が首や肩周りに集中しない姿勢が大切になります。

もみほぐすコトよりも大切なこと。

ほとんどの方は、長時間のリモートワーク→肩凝る→マッサージorストレッチ→長時間のリモートワーク→肩凝る→マッサージorストレッチという無限ループの繰り返しなのではないでしょうか?しかし、先述した姿勢が問題であるという認識ができれば、この無限ループから脱出することができます。それではどのようにすれば良いのでしょうか?

1.視覚を15度下げない環境づくり

先ほどの図を参照すると視覚を15度下げると首・肩回りの負担が適切な状態と比較して3倍増します。視線を下げて頭を前に突出させないように、モニターや書籍そしてタブレットなどを置く位置に注意しましょう。自分自身の腕が届くぐらいの位置に配置し、目線と同じ高さになるように設置します。

筆者がおすすめるすのは、以下のような視線を上げるようなグッズを利用することです。

ノートパソコンスタンド
ブックスタンド

単価は1900円〜3000円あれば購入することが可能な商品です。どれも台の位置を調整することができます。ブックスタンドの製品は様々な書籍に対応することができ、分厚い参考書などでも対応する事ができますので利用価値はとても高いです!

2. 坐骨に対して正しく座る

座るときの姿勢では、背骨をまっすぐコントロールし重力の負荷を正しく分散させる事が大切です。背骨が重力に対して負荷を均等よく分散させる際に坐骨に対して負荷がかかります。坐骨は下図で示した箇所になります。平らな椅子に背筋を伸ばして座り体を左右に揺らすとお尻のところにゴツゴツした箇所を2つ感じる事ができるかと思います。そこが坐骨になります。適切に坐骨に対して真っ直ぐ負荷を乗せることができているか自身の座る時に確認しましょう。余談ですが座る姿勢では、骨盤のポジションを修正することを優先にするのが大切です。坐骨のポジションが不適切で背筋を伸ばそうとすると腰部の筋肉を過剰に利用してしまい腰痛になる恐れがあります。

坐骨

また、最近では人間工学の知見を利用し骨盤のポジションの適正化させるグッズもあります。

出典/http://backjoy-jp.com

6000円〜8000円の間で購入することが可能です。適切に座る姿勢をサポートするので、”背骨がまるくなる→頭が前にでる→肩が凝る”という悪しき連鎖を断つ事ができます

3. デスクの高さは腕が1番リラックスできる高さに

デスクの高さは腕が1番リラックスできる肘関節80度〜90度の高さに設定しましょう。腕の位置ちが上がり過ぎてしまうと前腕の筋肉を過剰に利用してしまいます。

4. 適度にストレッチやセルフマッサージを入れる。

同様の姿勢が長期間続くと例え良い姿勢であっても身体全体が硬って来ます。適度にデスクでできるようなストレッチや、セルフマッサージを行いましょう。

お勧めは首のストレッチや、頭そして首回りのマッサージです。こちらは今回具体的な紹介は割愛いたしますが、youtubeなどで「デスクワーク、ストレッチ」で検索してみるとストレッチを説明する動画がたくさん出てきますので、気になる方は検索してみるのはいかがでしょうか?

5.脳疲労や目の疲れにはNapping(昼寝)×アイマスク

目の疲労によって肩こりが誘発されます。現代社会、眼球の移動は上から下そして左から右に文章の構成上規定されます。日本語の文章であれば上から下に、今現在進行形で読んでいるような横文字の文章であれば左から右にといった具合です。特にデスクワークでは左から右への文章を出力する機会が多くなっているので、眼球の移動は左→右の利用が多くなります。

そんな目の動きですが、首の動きと連動しており、同じパターンの連続は過剰な筋肉の利用に繋がり結果的に肩こりを発生させます。

目を休ませるための昼寝の時間を作ったり、散歩などをする習慣を作り遠くを見るなどして、パターンの画一化から脱出しましょう。昼寝の具体的な方法はこちらの記事にまとめているので参考にしてみてください。

肩こり解消と労働生産性の向上について

株式会社DeNAでは、肩こりや腰痛など身体の悩みを抱えている社員に対して「アーロンチェア・モニターアームの導入」「正しい着座の姿勢を伝授」したところ社員の労働生産性が上がり6846万円というプラスの経済効果を期待する事ができるという事例を挙げています。この事例が示すものは、先述した肩こり予防を考慮した作業空間の構築が経済効果のプラスに資するという事です。健康への投資は社員のパフォーマンスアップにつながり自社へのプラスの経済効果を生むというとてもWell-beingな連鎖を生むのです。

もちろんこれは労働者に限った話ではありません。実際に勉学に励んでいる苦学生も同様です。肩こりは集中力を減少させるので、慢性的に続いてしまう場合は学習効果を減少させてしまいます。集中力を保ち自身の学習効果を最大化させるためにも先述した取り組みを実践して見てくださいね。

最後に

さあ、いかがだったでしょうか、様々なグッズを活用し自身の作業空間に変化を与えたくなりましたか?予算としても1万円以内で実施できる取り組みですのでデスクワークの生産性を上げていきたい方は是非とも取り入れて見てくださいね。

それでも良くならないという方は、周り巡って慢性痛が取り除かれにくい習慣を構築しているかもしれません。再度、生活を見直して見てくださいね。

睡眠は取れていますか?

隠れ不眠の記事ですが、不眠な状態はセロトニンの分泌が減少し痛みの抑制が適切に働かなくなります。結果、炎症性サイトカインなどの物質が上昇しやすくなり痛みの伝達部位を強化してしまいます。

栄養は大丈夫?

腸内微生物について記事ですが、動物性脂肪などを多く含む食事の習慣は、腸内微生物の多様性を低下させ炎症性サイトカインの上昇を生み出し、痛みが取れにくい身体になってしまします。慢性痛がなかなか治らないことも。

運動はできている?

三輪書店から出版されているペインリハビリテーションの中では執拗に「安静するな活動せよ」と呼びかけている。実際に痛くて活動させないことは痛みをさらに増大させる。今回の記事では厳密に触れないが、これだけは覚えて欲しい「痛い時は安静に、動くと痛みを増大させる」という認識は誤りであり、運動を正しく実施する事が慢性痛の減退になるということを。自身で運動を実施するのが少し怖いという方は近くのトレーナーに悩みを打ち明けてみよう。

参考文献

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