あなったてもしかして、隠れ不眠!?

さあ、問題です。

以下の3つの文章で[   ]の中には私たちの生活に欠かせないある事が入ります。それは一体何でしょう?

  1. [      ]時間を4時間削ると肥満になりやすくなります。
  2. [      ]時間を6時間以下にし続けると死亡リスクが13%上がります。
  3. [      ]時間が6時間未満の人を6時間〜7時間にするだけで日本国の経済効果はおよそ8兆円上がると言われています。

答えは、睡眠です。

皆さんは最近眠れていますか?電子機器の発達により睡眠環境を阻害する傾向にある現代社会において睡眠を適切にコントロールすことは難しくなっています。さらに日本国の睡眠時間を世界各国(18国あるOECD加盟国)と比較すると、下から2番目ととても低い水準にあります。寝れない現代の環境、眠らない人々が多い社会環境である日本、そんな日本の睡眠状態は実はヤバイ水準なんです。

世界の睡眠時間 (OECD 2019)

「私2時間しか寝ていないんだよね」という睡眠不足自慢をする人や、「睡眠なんて必要ない、若いうちはハードに働くべきだ」というハードボイルドな経営者(そんな人もういないかもだけど)が現存するのも日本だけの現象なのかもしれません。

そんな我が国で軽視されがちな睡眠、今回はそんな睡眠にスポットライトを当てていきます!

目次

あなったてもしかして、隠れ不眠!?

質問に◯か×で答えてみてください。

  1. ベットや布団に入って睡眠まで1時間〜30分以上かかる(○ / ×)
  2. 夜中によく目が覚めます(○ / ×)
  3. ぐっすり眠ったという満足感がない(○ / ×)
  4. 予定より2時間以上前に目が覚めてしまう(○ / ×)
  5. 6時間以上の睡眠時間は確保できていない(○ / ×)

さて皆さんいかがでしたか?一つでも◯があった方は隠れ不眠の可能性があります。実は日本人の5人に1人が不眠の症状があると言われています。睡眠に悩んでる方は実は多くいるんです。

えっ?別に自分は体力があるから問題がないって?そんなことはありません。不眠は様々な疾患のリスクを上昇させます。

  • うつ病を引き起こすリスクが約2倍に。
  • 糖尿病を引き起こすリスクが約2〜3に倍。
  • 高血圧になるリスクが約2倍に。
  • 慢性痛が引き起こされやすくなる。
  • 胃腸障害が引き起こされやすくなる。

ね、不眠て怖いでしょ。

知っていますか?睡眠の役割。

皆さんは毎日行っている睡眠の役割を知っていますか?睡眠の役割は主に二つに分けられます。1つ目は、身体の回復です。日中の活動で疲労した身体は睡眠によって回復します。特に睡眠中では腸の機能が活発になり食事から得た栄養素をしっかりと消化吸収し血流に乗せ身体の疲弊している場所に届けます。

2つ目は脳の修復です。日中デスクワーク等で利用している脳の機能を睡眠中に回復させます。脳の老廃物であるアミロイドβという物質が睡眠によって脳から洗い流されます。また睡眠によって前日に行った学習が強化されることも報告されています。

睡眠が適切にできていないと実は・・・

睡眠不足に陥ってしまうと体に悪い影響が及んでしまいます。食事から得た栄養素を睡眠中にしっかりと吸収させることができないので日中の活動で疲労感が残り疲れやすくなったり、免疫機能の低下や体温調整機能の乱れによって風邪にかかりやすくなります。また、睡眠は脳の機能を回復させる役割を担っており、日中のデスクワークで利用し続けた脳を睡眠によって回復させないと、無気力症状や精神錯乱を含むネガティブな感情を生み出したり、何かを認識し分析・学習をする脳機能を低下させ職場でのパフォーマンスを減少させてしまいます。

日中の仕事では、知らずうちに様々な脅威に晒されています。職場や家庭環境などの社会的ストレスが睡眠不足と合わさる形になれば、身体と心が疲労し再起不能な状態になってしまうことも少なくありません。また、慢性的に睡眠が取れていない状態では、先ほど上げた様な疾患のリスクを上昇させ長期的に見ると寿命を縮めてしまう事につながります。睡眠というとても単純な作業が私たちの健康に深く関わっています。

最良な睡眠に欠かせない3つのポイントとは

最良な睡眠を行うためにはコントロールする3つのポイントがあります。

自律神経をコントロール

人間の体には脳から各器官(内蔵・筋肉etc)に指令を送るための神経があります。この神経は大きく体性神経と自律神経に分けられ、体性神経は主に意識する運動(筋肉の収縮)で働きます。それに対して自律神経は、意志とは関係なく働いており、内臓・血管・分泌腺など人体において常時活動する必要がある機能を調整しています。

この自律神経はさらに交感神経(興奮)と副交感神経(リラックス)の2つに分けられます。僕たちが運動している時やサウナなどの高温環境にいるときは交感神経がたくさん働き、マッサージやヘッドスパ、眠くなるときなどのリラックしている時には副交感神経が働いています。上手に睡眠をとるためには意図的にこの自律神経の状態をコントロールすることが大切になります。

睡眠を加速させるセロトニン→メラトニンというホルモンの変化

僕たちが眠くなる時に、脳の松果体という場所でメラトニンというホルモンが大量に分泌されます。このメラトニンというホルモンをしっかりと分泌させることが大切になります。また、このメラトニンというホルモンをしっかりと分泌させるためには、日中にセロトニンというホルモンが分泌される必要があります。なぜなら、このセロトニンというホルモンは夜ではメラトニンへと変換されるからです。セロトニンはリズム運動や太陽光を浴びる事などで分泌が促されます。適切な時間に起きて、太陽光を浴び、運動をして汗を流すことができれば、夜にはメラトニンの分泌が促され睡眠がしやすくなります。

深部体温のコントロール

日中身体を動かしているときの深部体温は高く、睡眠時の深部体温は低くなります。この体温の変動を上手く利用することが大切になります。

最良な睡眠になるための習慣

6つの大切なポイントを踏まえて実際に実践してみましょう!

15:00以降のコーヒーはストップ!

カフェインが睡眠を阻害させることは周知の事実かと思います。その理由はカフェインが脳を興奮させ交感神経を優位にさせることを助けてしまい、寝つきが悪くなってしまうからです。そして、このカフェイン実は身体に長時間残り続けてしまいます。人体でのカフェイン半減期は5〜8時間と言われており、200mgのカフェインを昼の12時に摂取したら20時ごろにそのカフェインは身体内に100mg滞在してしまうことになります。カフェインを利用した飲み物はお茶、コーラ、コーヒーと好まれて飲まれる方が多い傾向にあります。知らずの内に摂ってしまい睡眠を阻害させている可能性があります。なので、15:00以降のカフェインを止めること、カフェインの摂取が慢性的になっている方は1週間に2日はカフェインを抜くことをお勧めします。もちろんカフェインには健康に良い作用を生むケースもありますので、節度を持って嗜みましょう。

しっかりと運動を習慣にせよ!

適度な運動(ウォーキングやジョギングなど)をすることによって脳や身体の温度は上昇し、身体がより活動的になることによって活動時に交感神経が優位になります。その結果、睡眠をとる時間帯では副交感神経が優位になり、体温も下がり睡眠がしやすくなります。また日中のセロトニン分泌を促す事にも貢献し、夜間のメラトニン分泌を加速させます。

就寝2時間前に、お風呂かサウナに入るべし!

特に25分〜30分の入浴が入浴後の深部体温の下降を促し、深い睡眠へ促すことが知られています。またサウナの利用は運動時と同様の効果が期待でき、深い睡眠を促すことに貢献します。サウナに関しては以前の記事でも詳しく紹介しているので気になる方は調べてみてください!

睡眠を加速させる食事

睡眠を加速させるホルモンの中にメラトニンというホルモンがあります。このホルモンはセロトニンというホルモンから作られ、そのセロトニンは肉・魚・豆などのタンパク質の中に含まれているトリプトファンというアミノ酸の一種をから作られます。つまり、良質な肉・魚・豆をとる事によってトリプトファン→セロトニン→メラトニンという眠りを加速させるホルモンの分泌に貢献します。一般的な人の1日におけるタンパク質の摂取目安量は男性が60g/女性が55gと言われています。

睡眠1時間前の照明をコントロール

睡眠を加速させるホルモンであるメラトニンは、自身が置かれている照明の環境で変化してしまいます。電球のような暖色系の光は問題ありませんが、蛍光灯のような昼光色(日中太陽から浴びるような光)はメラトニンの分泌を抑制させ睡眠を阻害させてしまいます。お勧めとしては、焚き火やロウソクのような色の照明を睡眠する1時間前から利用したり。ブルーライトの光を取り除くことができるメガネを利用したり、スマートフォンやPCに内蔵されているブルーライト遮断機能を利用することができれば、睡眠が自然に行うことができる環境へと変化させることができます。

吐く呼吸を大切にしながら

呼吸の中でも吐く息は副交感神経を優位にさせる効果がります。ベットや布団の中では長い呼吸、「はあ〜」っと吐く様な呼吸を意識してみましょう。少し経つとまぶたが重くなってきます。

本当はwell-beingかどうかで決まる

いろいろ書かせていただいたんですが、つまるところあなたの1日がwell-being(良い状態・幸福)であれば睡眠の質は格段に上がるはずなんです。満足できたという感覚はセロトニンの分泌を加速させます。メラトニンはこのセロトニンから作られるので、日中どれだけセロトニンを増やせたかが大切になります。体が気持ちよく動かせた時(身体的満足)、仕事が上手くいった時(社会的満足)、家族関係や恋愛関係がうまく行っている時(精神的満足)、地球と繋がっている感じがする時(信仰的満足/信仰的満足はWHOが1999年に信仰的健康の介在を認めています。)、日が昇ればセロトニンの分泌が上昇し、日が沈めばメラトニンの分泌が上昇する。そんなwell-beingなサイクルを生み出すことができれば、あなたの睡眠もwell-beingになるでしょう。

参考文献

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