呼吸が適切に機能していない状態は、脳や体細胞の酸素を減少させ慢性痛や生活習慣病のリスクを上昇させる傾向にある。我々が毎日してる「呼吸」って、実は健康を考える上でめちゃくちゃ大事なんです。1日に約2万回以上もしていて、人間には必要不可欠な機能の「呼吸」。身体を頑張って動かすとリズムが速くなるもの「呼吸」。今回はそんな呼吸についての機能とその必要性を具体的にレポートしていくよ!
呼吸が適切でないことのリスク
慢性痛や生活習慣病のリスク上昇
実は呼吸に潜在的な悩みを感じている人は現代人の90%に相当する。呼吸が適切に機能していない状態は、脳や体細胞の酸素を減少させ慢性痛や生活習慣病のリスクを上昇させる傾向にある。
集中力の減少
脳の機能を維持するためには栄養素としてのブドウ糖と酸素が欠かせません。呼吸の機能不全によって酸素が適切に脳へ供給されなければ集中力の低下につながり社会人であれば仕事の生産性の低下、学生であれば学習の質の低下につながる恐れが。
口呼吸による感染症のリスク増大
適切な呼吸では、鼻で吸い口で吐くことが大切です。この時に口呼吸を慢性的に利用している方は、上気道感染症リスクが高まると言われているよ。コロナ禍の現在においては、マスクの予防より大切なことかも!
吸う呼吸の過多による様々なリスク
慢性的な口呼吸の場合、吸気(吸う呼吸)の方が呼気(吐く呼吸)よりも多くなります。このことが体内の酸素、二酸化炭素の割合を変えてしまいます。通常の場合、血中のPHは7.365と中性に保たれていますが、吸気が過多な人間の場合、PH値が変化しアルカリ性よりになります。
人間の人体では空気中の酸素を取り込むと、酸素は血中でヘモグロビンと結合し身体における各器官に酸素を行き渡らせます。この時に体内の二酸化炭素量によってヘモグロビンが酸素を切り離す量が変わります。(ボーア効果)
呼気の過多が慢性的に続いている場合、体内における二酸化炭素の割合が少なくなり、ヘモグロビンが酸素を効率よく離さない状態が慢性的に続きます。結果、各器官に効率よく酸素を供給することができなくなり以下のようなことが起こります。
- 免疫系の抑制
- 炎症反応をうまくコントロールすることが出来なくなる
- 慢性痛
- 睡眠障害
- 交感神経が優位になり疲労が取れない
- 横隔膜の収縮力が弱まり浅い呼吸になる
- 過剰な胸式呼吸によって姿勢が崩れる
etc.
まずは呼吸のメカニズムを理解しよう!
息を吸う時、外気が鼻・口を通して肺に入ります。そして肺が拡張しそれと同時に肋骨は広がり横隔膜が下がります。適切に横隔膜が下がれば、図の様な腹部の内圧が上昇し、お腹が360度に拡張します。
それに対して息を吐く時は肺の縮小とともに横隔膜が上昇し腹部の圧が下がるのでお腹の拡張が減少し肋骨が内側に閉じる様な動きを行います。
この一連の流れが上手く実施することができればとても良いぞ!
あなたの呼吸は適切ですか?3つの評価を試してみよう。
1日に約2万回以上も繰り返している呼吸、あなたはその呼吸が適切にできていますか?そこで、簡単なチェックをしたいと思います。是非みんなも試してみてね。
❶主観的な呼吸の評価
以下の質問にYES/NOで答えてみてね。
- 鼻呼吸ではなく口呼吸が多い
- 呼吸が苦しい時がある、すぐに乱れる
- 手足が冷たいまたは痺れる
- 集中力がないと感じることが多い
- 疲れが溜まりやすいと感じる
これらの質問項目は呼吸との関連性がとても強く、一つでもYESがついたら上手く呼吸ができていないかも。
❷仰向けになって呼吸の状態を確認しよう
仰向けになって自分の呼吸の状態を確認してみましょう。手順は以下の通りです。
- 仰向けになる
- お腹の両端に手を当てる
- 60秒つづけお腹の状態を確認する
さあ息を吸う時のお腹の状態を自分で評価してみよう!
- お腹が360度しっかりと広がる・・・・・・・しっかりできている!
- お腹が横に向けて動かない・・・・・・・・呼吸が乱れている可能性高い!
- お腹が凹む・・・・・・・・・・・・・・・呼吸が乱れている可能性高い!
- お腹が横に膨らまない、全体にだけ膨らむ・腹筋が上手く利用できていない!
腹式呼吸ができているという人の中には「お腹が前に膨らんでいるからOK」だと認識している人がいるかも、それは腹筋の機能の低下の可能性が高いので実はしっかりとできていない状態です。意外にできていない人って多いかも。
❸肺に取り込める空気の量をチェックしよう!
みんなも実際に時計を用意して試してみよう!
- 秒数を計れるモノを用意し、できる限り息を吸ってから息を止める
- 限界まで息を止めることができる時間を測定する
さあ評価してみよう!
- 40秒以下・・・・・・・呼吸機能の低下を表しています。
- 41秒〜59秒・・・・・・呼吸機能の大きな問題はないが、改善する必要はあり
- 60秒以上の場合・・・・理想的なスコアです。
息を止めることは肺にどれだけ空気を取り込めるかの指標になります。体調が悪い時は無理せず実施してください。
3つの評価を経て
さあ三つの評価を経て次に当てはまるかも確認してみよう!
- ❶のチェックで一つ以上のYESがあった
- ❷のチェックで胸が天井方向へうごく、またはお腹が360度に膨らんでいない
- ❸のチェックで息を止めることができる時間が40秒以下であった
一つでも当てはまる方は呼吸の機能が適切にできていないので、しっかりと改善する必要があります!しっかり呼吸機能を整えることができれば、日常生活においてのパフォーマンスが上がりウェルビーイングな状態に近くぞ!
やってみよう確認しよう!呼吸エクササイズ
呼吸のエクササイズは、いつでもどこでも行うことができる。今回はデスクでも実施できるエクササイズを紹介するよ。
- 椅子に座り、坐骨に対して圧を感じる様に真っ直ぐ座る
- 頭から骨盤までを一直線にし、正しい姿勢をとる
- お腹の両端に手を当てる
- 息を吸う時に肋骨/お腹が拡張できているかを1分間確認する。
- 呼吸のテンポは5秒で吸って、5秒で吐くという様なゆっくりテンポを心がける。
目をつぶって瞑想するかの如くご自身の肋骨の動きとお腹のふくらみを感じていきましょう。この1分の投資が継続するだけでも呼吸の状態がよくなるかも。
呼吸と運動とウェルビーイング
しっかりと運動が習慣化しても、なんだか疲れが取れにくかったり、寝付きが悪かったりしたら今一度自分自身の呼吸を確かめてみよう。今回紹介した形で自分自身で試してみてもオッケー。実際に気になる方は近くにいるトレーナーに自身の呼吸の状態をチェックしてもらってもオッケー!
大切なのは自分自身の呼吸の状況を自分自身で認識し、それに対してどのように対処すれば良いかを知ることです。適切な習慣の構築からウェルビーイングへの一歩がスタートします。
参考文献