【FBT】Fat Burning Time 〜脂肪燃焼のすすめ〜

ファットバーニングタイム。それは、脂肪燃焼を「加速」させるための時間。今すぐ体重を減らしたい人はどうかその方法を習得してほしい。脂肪燃焼を加速させるには、
自分の現状にあった脂肪燃焼を加速する運動を習慣に取り入れる
・正しい食習慣を確立する
この2つが必要です。では具体的にどのように行うべきでしょうか?それを知る前に、まずは人間が「なぜ必要以上に食べてしまうのか?」を、古代の歴史から紐解いていきましょう。実は人間は、もとから「食べすぎる」生き物だったのです。

目次

生存と飢餓

 今から20万年前、ホモ・サピエンスである私たちはアフリカ大陸からその生息範囲を広げ、類似種であるホモ・エレクトロスやネアンデルタール人と交代劇を繰り返し、種の保存の原則である繁栄を繰り返していくために、戦闘や狩猟などを繰り返していました。長い年月の中で、戦争・感染症・飢饉・自然災害、様々な禍に適応する術を身に付け、現在2022年においては快適な生息環境を地球の表面上に形成し、各個人の欲望を加速させる資本主義のシステムにおいて、最大限の幸福を追求しています。

しかし、この壮大な歴史文脈の中で、唯一そこまで変わっていないものもあります。それが人間の身体機能です。人間は食物を摂取し身体に取り込むことによって自身の活動を維持しています。20万年前の人類の環境では、いつ飢餓状態になるかわかりません。日によっては全く食事ができない時もあったでしょう。そんな飢餓状態時では、脳は食事へと行動を向かわせ、飢餓という脅威に対して安全策を取ろうと必要以上の食事(エネルギー摂取)へと行動を向かわせていました。

人類は進歩を遂げました。現在においては、低価格で人間の脳を刺激し食事という行動を加速させるために様々な商品・サービスが開発されています。また、エネルギーの塊である脂質と糖質をうまく調理した上で視覚・嗅覚・味覚を最大限に興奮させる技術は常に進歩しています。その中で人類は食事を繰り返します。飢餓という状況がなくなった現在においても、ストレスなどの驚異によって必要以上の食事の摂取へと行動を起こします。

現代社会に非適応した生存機能

原始の人類においては、飽食の状態になった際の生き抜くための機能として必要以上に栄養を摂取することが大切でした。しかし、過剰な食事摂取を抑制させる機能は人類に存在しません。食べている間、脳は快楽性物質を視床下部から分泌させ、さらに食べる量を増やせ!と指令を出します。また、日本人の労働時間の中で座位の時間は平均7時間と言われ国際的にとても高い水準にあります。このことが物語っているのは身体を動かす時間が少なくなっているということです。動かすことができなければ、蓄えた脂肪をエネルギーとして利用することができないので、身体には脂肪が貯蓄され続けてしまいます。

過剰な脂質・糖質の摂取や運動を実施しない非活動的な生活習慣は、現代における主たる健康課題であるメタボリックシンドロームの温床となります。メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質異常症が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい症状のことを言います。厚生労働省のデーター元から日本人の死亡要因をランキング別で見ると1位悪性新生物(がん)2位心疾患・3位脳血管疾患となっています。この2位・3位における疾患は動脈硬化によるものが多く存在しその因子としてメタボリックシンドロームとして挙げた項目が該当するのです。

過剰な脂質の摂取・過剰な糖質の摂取によって内臓肥満・高血圧・高血糖・脂質異常等を生み出してしまえば、快適な生活環境も死亡リスクを育む地獄の空間へと化してしまうのです。では、そのような状況にならないようにするためには、何をすれば良いのでしょうか?

順位死因
1位悪性新生物
2位心疾患
3位脳血管疾患
4位肺炎
5位老衰
厚生労働省:死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・構成割合

Fat Burning Time(脂肪燃焼を加速させる時間) を作ろう

その方法とは、自分の現状にあった脂肪燃焼を加速する運動を習慣として取り入れることです。脂肪の燃焼は心肺機能を駆使する運動を中・長時間に渡り実施することで起こります。具体的なポイントを下に記しました。

ポイント1 :運動の種類と頻度

30分〜60分ほど継続できる中強度な運動で、主観的に「ややきつい」〜「楽」と感じられる運動を週に5回(1週間/150分以上)
例:ウォーキング・ランニング・水泳・球技(サッカー・テニスect)

20分〜60分の高強度な運動で、主観的に「きつい」と感じる運動を週に3回以上(1週間/75分以上)
例:HIIT(高強度インターバルトレーニング) ・ウェイトトレーニング・スプリントトレーニング

❸上記に紹介した❶と❷を組み合わせた運動週に3回以上(1週間/75分以上)
例:ウォーキング×HIIT(高強度インターバルトレーニング)

ポイント2:運動前にコーヒーを!

カフェインを摂取することで血流の流れを促します。脂肪燃焼に必要な身体のコンディショニングを内面から整えることを可能にします。コーヒー1杯程度を摂取しましょう。

ポイント3:運動前は身体機能を引き出して!

ストレッチ・体幹トレーニング・バランストレーニング・筋力トレーニングなど身体の機能を高めるエクササイズを15分〜30分取り入れて、代謝のスイッチをONの状態にしよう!具体的なエクササイズは身近にいるインストラクターに聞いてみましょう。

そもそも、あなたは自分の身体が”正しく動いている”のかを理解していますか

自分自身の動きのレベルがどの水準にあるのかを理解することができれば、どのような有酸素運動で脂肪燃焼させれば良いかが明確になります。明確でない場合は、運動効果を得れないばかりか、障害の可能性も上昇してしまいます。また、漠然とした運動の実施となってしまい中途半端な運動の継続となり効果が得れないというケースも。

明確になっていない場合は、しっかりとトレーナーさんにチェックしてもらいましょう!

ポイント4:運動中に水分をしっかりとること!

しっかりと水分を摂取しないと血液の循環が促されません。しっかりと水分を摂取できる状況を作り、滝汗をかいてしまおう!15分に300ml程度摂取することが理想です。

ポイント5:動きに集中しよう。

日常での負の要素(ストレス)を忘れるために、動きに集中しよう。至極の集中状態を作ることができれば、運動を実施したことによる充足感に包まれること間違いなし。

ポイント6:高強度な種目を実施できた場合

アフターバーン効果
インターバルトレーニングなどの強度の高いエクササイズをチョイスしたあなた!運動中の酸素摂取が増大することによって、運動後の酸素消費量が増大します。そのことにより最大36時間脂肪燃焼効率が上昇するなんて言われています。(アフターバーン効果)午前中のタイミングで実施できれば1日中基礎代謝が高い状態を維持できること間違いなしです。また、エクササイズ実施後の有酸素運動では脂肪燃焼が効率よくできる条件が整っていますので、実施後30分のウォーキングがおすすめです。

❷食欲の抑制
HIIT(高強度インターバルトレーニング)のようなハードなトレーニングでは、消化管ホルモンであるGLP-1(グレリン,グルカゴン様ペプチド1)の分泌様態に影響を与え、主観的な空腹感や食事量の減少を引き起こします。そのことによって必要以上に食事を取り入れる食習慣から離脱できる可能性が上昇します。

ポイント7 : 持病を持っている人は

すでに糖尿病や高血圧症などの代謝性疾患を患っていたり、関節炎などの運動器疾患を患っている場合は、かかりつけのお医者様の診断のもとトレーナーと連携し脂肪燃焼を効率よく行うことができるエクササイズを開発してもらおう!

Fat Burning Time(脂肪燃焼時間)と併用する食事

脂肪燃焼の運動を習慣的に取り入れることができたとしても、適切な食習慣を維持することができていなければなかなか効果は出てこない。では、どのような食習慣が良いのか?大切な習慣をあげていきます。

食習慣1:炭水化物(ご飯・パン・パスタ)

炭水化物の過剰摂取はNG。摂りすぎてしまう人には、飢餓状態を作らないようにすることがおすすめです。そのためにも食物繊維を豊富に取り入れた炭水化物(さつまいも・玄米)を摂取しましょう。食物繊維は満腹感を育むので、飢餓状態を作り出すことを防ぎます。また、3食でお腹が空きすぎてしまう傾向にあれば、6食などにして空腹時間(飢餓状態)をなくしていきましょう。

食習慣2:タンパク質(肉・魚・豆)

まずは、肉・魚・豆などのタンパク質を自身の体重×1g摂取できているかを確認しましょう。運動を習慣的に実施できているのであれば体重の1.2〜1.5倍g摂取することをお勧めします。タンパク質は消化吸収する過程で最もカロリーを使う栄養素としても知られています。自身の必要摂取量が問題なく日々の食事の中で摂れているか再度確認していきましょう。

タンパク質摂取目安料=自体重×1.2g〜1.5g

食習慣3:脂質

❶良い脂肪/悪い脂肪
脂肪には、飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に種類が分けられます(図2を参照)。飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを上昇させてしまいますが、不飽和脂肪酸の場合では、善玉コレステロールを上昇させます。不飽和脂肪酸の摂取は心臓病、高血圧、関節炎、癌の治療と予防の役割を果たしています。

❷どのくらい摂取すれば良いの?
1日の摂取カロリーの25%が推奨目安となります。35%以上が過食につながり脂肪が蓄積されてしまします。

モノ不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸飽和脂肪酸トランス脂肪酸
・オリーブオイル
・キャノーラ油
・アボカド
・ピーナッツ
・アーモンド
・ピスタチオ
・植物油
・紅茶
・大豆
・コーン
・ヒマワリ油
・ニシン
・サーモン
・イワシ
・サバ
・アマニ
・肉
・ラード
・鳥
・バター
・チーズ
・クリーム
・卵
・全乳
・ほとんどの焼き菓子
・マーガリン
・ファーストフード
・焼き菓子
Clark・Scott・Sutton 著 「NASM Personal Fitness Training 」

未来の Emma(不摂生な人類)にならないために・・・

Meet Emma – Your colleague of the future

イリノイ州シカゴでハリー・フェローズによって設立され、シュレッダーに代表されるビジネスマシーンからインターネット関連分野に至る幅広い製品を世界100ヵ国以上で販売しているグローバル企業のフェローズ社が2019年にイギリスにて専門家と連携し現在の労働習慣に基づいた結果、労働者の健康にどのような影響を与える可能性があるかについてのレポートを作成しました。上記の映像はその際に20年後の労働者(エマ)の姿を予測したものとなります。

近年の日本と似ている傾向があり。労働者は座位の時間が6時間と長く非活動的な習慣を社会より強いられている状況となります。Emmaの様な状態はあなたの未来かもしれません。20年後に気付いてからでは遅いのです。代謝性疾患(糖尿病・高血圧症etc)と運動器疾患(腰痛・関節炎etc)が同時に起こり、運動そのものの実施が精神的に難しい状況となります。その様な破局的な状況を作らないためにも、正しい運動に時間を投資しましょう。

ファットバーニングタイム(脂肪燃焼を加速させる時間)に投資し、人類たりうる機能を維持し、心身共に健全なあなた自身を維持していく習慣を形成していきましょう。

参考資料
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