【ウェルビー2.0】私という視点からあなたそして地球(全体)へ

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アウトドア(トレッキング)に5ヶ月間ドハマりして気づいた「幸福感」の原点

皆さんお久しぶりです、ウェルビーメインライターを務めている高山ヒロキです。特別号「さよなら僕らのwell-being。幸福と手を繋ぐ資本主義のダーウィニズム」から投稿がとてつもなく開いてしまいましたが、実はこんなことをしていました。

そう、アウトドアにドハマり。

南アルプス/烏帽子岳

神奈川県丹沢主要山脈の縦走(山と空の境界線を歩き続ける感じ)から始まり、現在は1日15時間の走行時間を約50km走破できるようになり着実に身体も精神も山に適応している高山なのです。ちなみにこの5ヶ月間に累積標高は32303m登頂した山の数は82です。(ハマりすぎw)

しかしこのアウトドア(トレッキング)、ウェルビーイングな要素が大変詰まっておりまして、これはしっかりとドハマりさせていただき、機が熟した頃にこうして再びみなさんへ発信できればと思っておりました。

特別号「さよなら僕らのwell-being。幸福と手を繋ぐ資本主義のダーウィニズム」にも詳細を記していますが、個人の幸福度の向上のためには自分のみに利が傾く思想は逆効果になるということです。所得が上がるという事実(地位財)は、あるところから幸福という感覚を生み出さなくなります。実際に真の幸福を掴むためには、安息地としての家庭、命を燃やせる職場、肚で繋がる仲間、自然と対話する体験、習慣化された健康という非地位財との調和がとても大切。(実行に必要な最低限の所得は必要だけどね)

この時にアウトドアという領域は、個人-グループ(社会)- 地球(全体)にとってとても重要な領域になると思います。

幸福の本質は「本能」−現代の便利な生活に欠けているモノ−

本能それは生き物としての性のことを言います。睡眠・食・性・生存・運動などがその本能にあたります。この本能は私たちの行動にエネルギーを与えていました。しかし、現代のアクティビティではそのあり方に若干の差があります。移動をしなくても捕食ができる、活動量が少ないので睡眠欲が抑制され、舗装された都市空間で安全に移動ができ、スマートフォンの対象へ欲情する。つまりは身体の活動や動きを最小限に抑制させた状態で本能を処理することができる、もしくは本能自体が引き出されにくいという傾向にあります。私はこのこと自体が幸福感の希薄を招いているのではないかと仮説を立てています。未開の地を踏んだ時の高揚感、暗闇の中を歩き続け朝を迎えた時の安心感、圧倒的な空腹感の中でご馳走を食べる幸福感。このような身体全体で感じる幸福感を現代の社会ではなかなか味わうことができなくなっている。

健康を増進させるためのジム施設が増えている昨今、多くの方が運動不足解消・リフレッシュ・ダイエットなどを目的にジム施設を利用している方が多いのかと思います。しかしこのジム施設では本能的な欲求を満たしきることはできるのでしょうか?

ジムでは満たすことのできない本能がある、それは真の運動本能

ジムの施設は基本的に誰でも都市空間の中で、個人の趣向や課題に合わせ快適に運動行為を実施できる」というように設計されており、快適な空間で安心安全が配慮され、運動本能を簡易的に満たす仕組みがそこには存在します。ランニングマシーンでの走行は舗装道路よりも明瞭で平坦な道であり視界空間は一切変化しません。ウェイトマシーンでのトレーニングはほとんどの関節が安定化され単一の筋群に刺激が入るように仕組まれていて、フリーウェイトなどのパワーエクササイズ(スクワットやベンチプレス)は再現性が高い「立ち上がる」や「押す引く」などの簡単な動きを採用しています。本来のあるべき運動の姿とは異なり、筋肉のため、心肺機能、動きのため、関節のため、代謝のためという「〜ため」に細分化され続けている傾向にあります。

しかしそれは真の運動とは少しかけ離れたものになります。自然空間の中であなたが走ったとしましょう。そこには運動のあるべき姿が反映しています。走ることは移動することであり視空間は絶え間なく変化します。平坦な道は一切なくランダムな地面を足の裏で認識しながら動きを続けます。坂道を上がったり下る中で下半身のパワーは発揮され、急な勾配をよじ登ったり降りたりする中で上半身のパワーが発揮されます。また全ての関節をその瞬間瞬間に最適なポジションに導く必要があります。身体の全ての要素がその目的のために収斂され、行為の達成とともに湧き上がる運動本能が処理されます。

もちろん「運動が苦手な人」にとってはジムという仕組みはとても良くできています。でも数年もいると提案されたエクササイズに脳が適応し飽きてきます。ある人は頻度を増やしたり、場所を変えたり、複数のジムを掛け持ちしたり、インストラクターやトレーナーを変えてみたり。でもその「脳が飽きた」の本質は「満たされない運動本能」にあるのではないでしょうか?

アウトドアスポーツが身体に良い理由は、自然との対話で生まれる心身への「刺激」

現在僕の主業務はトレーナーとして”身体の機能をより良い方向へのサポートする”なんてことをやってるのですが、アウトドアスポーツを実際に経験してみて思うことは、アウトドアスポーツは、身体機能を持続的に維持するためにとても重要な環境であるということです。

ランダムな地面

いつも日常で利用している平坦な地面と異なり、ランダムな凹凸の上を歩くことができます。このことは人間の身体のセンサーとも言われる固有受容器を刺激します。固有受容器は自己の体やその一部の動きそして位置などを感受する感覚器官。ランダムな凹凸の上では、移動という行動を維持するために姿勢をコントロールし続け、足は普段利用しない動きを巧みに企てて移動という行為を成立させようとします。この試みが人間の身体感覚を本来の状態へと戻していくのです。

ランダムな傾斜

ランダムな傾斜がどのような身体の反応を生むのか、30度あたりの傾斜になれば普段より大きな股関節の動きが求められます。また45度以上あたりになってくると四足動物のように手-腕-肩甲骨-胸郭の動きをふんだんに利用しながら登るというタスクを実行します。傾斜角度がなくてもトレッキングポールなどを利用すれば、道具を通して手-腕-肩甲骨-胸郭の動きを引き出すことが可能になります。手の利用がどのような事を生み出すのかはHands-Being (あなたの動きに先立つモノ)にも書いたのでみてみてね!

南アルプス/北岳

代謝と心肺機能の利用

車・自転車・二輪車など舗道で利用出来る機器が利用できません。自身の脚を山肌に適応させながら目的地を目指します。その中で呼吸・代謝機能はふんだんに利用されます。

代謝や心肺機能を向上させる習慣を持つことは以下の項目に効果的です。

  • より強くより効率の良い心臓
  • 血液を押し出す能力の向上(心拍出量の強化)
  • 心臓病のリスクの低下
  • 心拍数の減少
  • どのレベルの仕事においても、心拍数が減少
  • 肺の換気の向上(より効率の良い呼吸)
  • 呼吸筋(肋間筋など)の強化
  • 体重負荷での有酸素系エクササイズにより関節軟骨と骨の密度が高くなる
  • 酸素運搬の増加
  • コレステロール値の低下
  • 動脈圧の低下
  • 抗凝血作用の向上および血栓形成リスクの低下
  • 燃料補給の向上(脂肪酸を使用する能力の向上、筋グリコーゲンの蓄え、温存)
  • 筋肉の酸素使用能力の向上
  • 精神的覚醒の向上
  • 抑うつ症や不安神経症的傾向の低下
  • くつろいで睡眠をとる能力の向上
  • ストレスへの耐容性の向上
  • 除脂肪体重の増加
  • 代謝率の増加
  • 肥満や糖尿病のリスク低下

ね、沢山あるでしょ。

自然が見せる刹那的な景観

その瞬間は一日の中で数分間の出来事です。太陽が地平線から顔を出した何分間、世界は光に包まれます。人間の用いる感覚器がこの情景を解釈し言語的な表現へ変換しようと試みますが、無理ですね。是非皆さんもこのような瞬間に立ち会ってみて感じとってみてください

谷川岳からみる朝日

進化するウェルビー。本質的な幸福のあり方を追求

今までの月刊ウェルビーでは、様々な観点から幸福(ウェルビーイング)について考察してきましたが。これからはアウトドア、旅、スポーツのような要素も沢山盛り込んでいきたいと思います!

そしてどうしたらもっと自身自身の幸福度を高めることができるか?の本質的なメソッドについて、少しでも読者の皆様にわかりやすくご紹介できたらと考えております!

ということで、乞うご期待!笑笑

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